コロナでこの先収入が減りそう…。今は不動産投資はやめておいたが方がいい?

新型コロナウイルスにより、大きな打撃を受けている業界があります。たとえば旅行業界、宿泊業界、航空業界、飲食業界などです。他にも、病院の経営悪化で、看護師のボーナスが大幅カットされるというニュースもありました。他の業界でも、会社の業績悪化でボーナスのカットや、月収・年収が下がる可能性があるという方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産投資は、多くの人が金融機関のローンを利用して行います。だからこそ、こんなふうに危惧する人も少なくないようです。「こんな不安定かつ先行き不安な状況で不動産投資を始めたら、最悪の場合、ローンが返済できなくなってしまうのでは?」「本業が揺らいでいるいま投資をするなんて、リスクが高すぎるのでは?」と。

後回しにすればするほど「生涯家賃収入」が下がる

でも正直そうした心配は、不動産投資の本質からズレているといわざるをえません。どういうことでしょうか。

そもそも多くの不動産投資は、入居者からの賃料収入をローン返済に充てるという仕組みで成り立っています。言葉は悪いですが、要は「入居者にローンを払ってもらう」ビジネスモデルなのです。だから、たとえ1000万の年収が500万円や300万円になったところで、不動産投資は問題なくできるのが普通なんです。

さらにはもう一つ、不動産投資の本質からズレていると述べる理由があります。それは、不動産投資は家賃収入を得るという仕組み上、「早く始めるに越したことがない」ということです。

もし85歳まで生きるとすると、50歳で不動産投資を始めた場合、家賃収入をあと35年間得られます。もし始めるのが40歳なら、それが45年間になる。さらには始めるのが30歳なら、55年間も家賃収入を得られることになります。

もちろん物件は経年劣化するので、ずっと同じ賃料を確実に得られるわけではありませんが、かといって都内や府内の物件であれば、半値とか1/3になることはまずないでしょう。だから早く始めれば始めたぶんだけ、“生涯家賃収入”は多くなるわけです。

逆にいうと、もし「今は大変な時期だから、不動産投資は状況が落ち着いてから始めよう」と、始めるのを5~6年後にした場合、そのぶん生涯家賃収入は下がることになります。もし賃料10万円の物件であれば、減収分はざっと500~600万円分にもなります。だからこそ、不動産投資は「やれるうちに始めておく」というのが、一つのセオリーになるのです。

ただし不動産投資の種類でリスクは変わる

とはいえ、不動産投資にもいろいろな種類があります。たとえば中古物件の不動産投資。この場合、最初にリフォーム代などの初期費用が必要だったり、賃貸経営を始めた後も修繕費や設備交換代などで数十万円が突発的にかかる可能性があります。流行りの古家不動産投資にいたっては、物件購入の際に基本的にローンが組めないので、数百万円の物件代金を手出しする必要も出てきます。

また不動産投資は、空室になった時に賃料収入が入らない「自主管理」や「集金代行」のタイプと、空室になっても賃料が保証される「一括借上契約」のタイプに大別できます。もし前者の一括借上がつかないタイプだと、たとえば2~3ヶ月連続で空室が出た場合、その期間のローン返済額20~30万円を手出しする、といった事態にもなりかねません。

そうしたリスクがある不動産投資であっても、手持ち資金がある程度あれば、コロナで減収になってもできないことはないでしょう。一方で近い将来、職自体を失う可能性があるような場合は、その手の不動産投資は「もう少し状況が落ち着いてから」と考えるのも、一つの選択肢かもしれません。そこは、その不動産投資のリスクの度合いと自身の資金状況、仕事の状況との兼ね合いになるってくるので、総合的に判断したいところです。

心配なら「計算が立ちやすい」不動産投資を

その点、一括借上が付き、不確定要素も少ない新築の不動産投資を選べば、リスクはだいぶ軽減されます。

たとえば新築のワンルームマンション投資であれば、毎月の手出し金(※)は1万円ほどですみ、ちょっとやそっとの減収ではもちろん、たとえ失業になってしまったとしても続けられないことはそうそうないでしょう。また空室になった時の出費はもちろん、修繕費や設備交換代などの突発的な出費も少なく、収支の計算がかなり立ちやすいです。

※一括借上額から、ローン返済額とオーナーが支払う管理費・修繕積立金を引いた額

したがって今後の状況が心配なのであれば、そうしたスタイルの不動産投資が、一つの有力な選択肢となるでしょう。不安定な時期こそ、堅実で安定した保険の積み立てや貯蓄をコツコツするのがベターと考える人は多いですが、一括借上契約付きの新築ワンルームマンション投資は、不動産投資といえどもむしろそちら側に近い投資法といえるのです。

ちなみに、この先大きな減収が考えられるので、減収していない今のうちにローンを組んだ方がいいのでは?と考える方もいるのではないでしょうか。結論からいうと、それは一理あるともいえるし、あまり関係ないともいえ、微妙なところになります。

たしかに今後大きな減収が考えられるとか、失業する可能性があるという場合は、まだそうなっていないうちにローンを組んだ方がいいかもしれません。実際に収入が大きく減ったり、失業してしまった場合、ローンが組みにくくなるからです。

とはいえ金融機関もプロなので、今後ステータスが下がりそうな業種はきちんと把握しており、今後の見通しも含めて総合的にローン審査を行います。だから金融機関を出し抜いてローンを組めるかというと、それもなかなか難しいのではないでしょうか。

まとめると、このさき収入が大きく減ったり、最悪の場合は失業が考えられる方でも、不動産投資を始めるのを「状況が落ち着くまで」と待つ必要は基本的にありません。ただご自身の状況と心配度合いをふまえ、一括借上契約が付くスタイルかどうか、中古か新築かといった部分をきちんと選んでリスクを調整することは必要になってきます。

苦しい状況であっても、もし前に進める(不動産投資を始められる)のであれば、ぜひ無理のないやり方で進んでいただければと思います。

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