現役サラリーマン大家が語る!海外駐在中に日本の物件を運営するってどうなの?

私はサラリーマンとして、2013年から2014年の2年間海外に駐在しながら、日本で所有している物件を投資用に運営していました。その当時は、自分の物件をすぐに見にいけない環境で不安でしたが、2年間の間、問題なく運営することが出来ました。

これと似た状況として、日本国内の遠方物件を運営するケースが挙げられます。

遠方物件を高稼働で運営することができるノウハウを身につけることができれば、購入できる投資物件の幅を広げることが出来るという意味で、不動産投資を成功に近づけることが出来ます。

ちなみにここでいう遠方物件とは、都心在住者にとっての地方物件、地方在住者にとっての都心物件、どちらも含まれております。

今回は、国内の遠方物件運営よりハードルの高い、海外駐在中の遠方物件運営を経験した自分の事例も交えながら、遠方物件運営のポイントについてお伝えしたいと思います。

購入後の稼働率が賃貸経営成功のキーとなる

まず、運営前に基本的な考えをお伝えしますが、どんなに表面利回りが高くても、資産価値が高くても、物件が稼働しなければ保有中のインカムゲインは下がりますし、売却時のキャピタルゲインも下がる可能性が高くなってしまうということです。

しかし、逆に言えば、遠方の物件でも高稼働で運営することが出来れば、投資範囲が広がり、物件のエリアの関わらず、本当に良いと思った物件を購入することができるということになります。

そういった意味で、遠方物件での不動産投資を成功させるためには、購入後の稼働率がキーになります。

不動産業者に満室想定でのキャッシュフローをシミュレーションされ、それがあたかも簡単に達成できると勘違いし、いざ購入してみると、シミュレーションのように満室運営が続くなんて夢のまた夢の状況で、実際は半分も稼働しないなんてことも聞くことがあります。

そういった失敗を防ぐためにも、購入後に、高い稼働率で運営を続けることができるのか?という視点は絶対に持つようにしましょう。その視点で物事を考えるためにも、今回お伝えする購入後の管理手法をイメージできようにしておくことは重要です。

サラリーマン大家は遠方物件を購入すべきでないのか?

では、サラリーマン大家は遠方物件を購入すべきでないのでしょうか?

私はそうとは思いません。

逆に、自分が住んでいる周辺のエリアのみを投資対象としてしまうと、購入できる水準の物件情報が出てくる頻度が少なくなり、物件を買えないということになる可能性が高くなると考えています。

先程申し上げたように、遠方物件であっても、購入後に高い稼働率で運営できる自信があれば、後ほど伝えるポイントをしっかり詰めることにより、管理・運営することは可能です。

ちなみに、高い稼働率で運営できるという自信はどこで得るのかというと、これには様々な調査手法があるのですが、一番有効なのはとにかく検討している物件の近隣にある不動産業者にその物件の客付けについて、ヒアリングをする行うことです。複数社にヒアリングすると、客付けに苦労する物件か否かの判断は出来るかと思います。

よく不動産投資初心者の方で、不測の事態が発生した場合、自分で物件を見に行くことができないから怖いという理由だけで遠方物件の購入を検討すらしないと聞きます。ですが、それはもったいないことだと個人的には考えます。とはいっても、不動産投資初心者のサラリーマン大家が遠方物件を購入する際に躊躇する気持ちも分かりますので、次の章で私の実体験を紹介させていただき、遠方物件だからという理由だけで本当に良い物件の購入を諦めないようにするきっかけになればと思います。

遠方物件の管理を成功するために重要なポイント

動産投資を成功させるために重要なポイント1つ目は、全ての事をメールもしくは電話で済ますことが出来る仕組み作りです。

大きくは、お金の流れ、賃貸管理(退去~入居者募集までの流れ)、各種トラブル対応の3つに分かれます。

まず、お金の流れについてですが、全ての日本の銀行口座についてインターネットバンキングで操作できる環境を整えることです。そして、私の場合は、海外滞在だったため、固定資産税が自動的に日本の銀行口座から引落とされるようにも手配しました。

この視点で考えると、インターネットバンキングがない日本の銀行口座はまず使いません。そして、インターネットバンキングの利用料を取られるような日本の銀行口座の使用も避けた方が良いでしょう。

そして、振込手数料についてですが、これは金融機関によって異なる部分ではありますが、月に数回までなら無料という金融機関もあれば、特典が何もないという金融機関もあります。できる限りコストがかからない金融機関の日本の銀行口座をメイン口座にすることをおすすめします。

次に、2つ目は賃貸管理です。これが遠方物件を管理する上で最も重要なポイントであり、特に客付けの部分は最重要と言っても過言ではありません。

私が海外駐在をしていた時は、昔からの知り合いの方に代理人として動いていただいていたのですが、その方はレインズと呼ばれる不動産業者がみれるサイトに私の空室物件を掲載してくれていました。

しかし、3か月間、1回も内見がない状態が続きました。

適正家賃で募集し、するべき原状回復も行っており、1件も内見が入らないというのはおかしいと感じていたのですが、このままではまずいと思い、出国前に挨拶をした近隣の業者に海外から電話をかけ、物件の募集をお願いしたところ、なんと2週間で成約となりました。

遠方物件であっても、たまにその物件を見に行く時に、近隣の業者に挨拶を行い、自分の物件の客付けをお願いしておくことはかなり重要だと思います。

管理会社だけの力では空室が埋まらないこともあるので、自ら電話で入居者の募集をお願いできるよう業者との関係性は作っておくようにしましょう。予め挨拶をするか否かで、協力度合いも異なります。

最後に、3つ目はトラブル対応です。私の場合は、先ほど申し上げた代理人の方にお任せしておりましたが、管理会社でも問題ないかと思います。

ただし、管理を任せる業者は遠方物件だからこそ、しっかり複数社と面談を行った上で決めることをおすすめします。インターネットの情報だけで判断するのは危険だと考えます。

3つのポイントが揃えば、サラリーマンの方でも遠方物件での不動産投資をすることは可能だと思いますので、参考にしていただければと思います。

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現役サラリーマンオーナー・中林準

Jun Corporation代表 中林準。 立教大学卒業。 大学3年次、イギリスへ1年間交換留学後、日商簿記1級、米国公認会計士資格合格。 大学卒業後は、商社の経理部で主に海外事務所・現地法人の管理に携わる。 その傍ら、社会人2年目(2011年)の時に、区分マンション購入から、不動産投資を始め、2018年に1棟マンションを購入する。現在は都内に4区分マンション、1棟マンションを所有している。1年間グロス家賃収入は2000万円。過去に中国駐在経験もあり。CFP、1級ファイナンシャルプラン技能士、宅地建物取引士、管理業務主任者(資格合格)。 2013年9月Jun Corporation設立。若手のサラリーマン・OLを中心にした不動産コンサルティング業務を行っている。