ワンルームマンション投資って、実際のところ、どうなの? それを確かめるべく、ワンルームマンション投資を行うオーナーの、リアルな声を聞いてみた!
「オーナーインタビュー」第3回目は、40代半ばでワンルームマンション投資を始め、現在計5部屋のワンルームを所有するY.A.さん(男性)。会社を退職する時点で毎月の収支をプラスにし、ローン完済後はうまくいけば毎月30万円近くの家賃収入を手にできると言います。いったいどんな仕組みなのでしょう?
──投資用ワンルームマンションを5部屋所有されるまでの経緯を教えてください。
まず46歳の時に、1件目と2件目を同時に購入しました。どちらとも横浜の同じマンション内の物件です。実は最初は1件だけ買うつもりでしたが、思ったより月々の手出し金額(※)が少なかったので、思い切って2件買うことにしました。
※毎月受け取る一括借上げ額(家賃収入額)から、毎月支払うローン返済額と管理費・修繕積立金を引いたもの。
──手出し金額は1件につきいくらでしたか?
約9千円でした。
──それまでに、何か投資はしていましたか?
いえ、特に投資らしい投資はしておらず、資産運用はほぼ貯金のみでした。
1・2件目を買った約3ヶ月後に東上野で3件目を、その約4ヶ月後に北千住で4件目を購入。さらにはその約2年半後に、門前仲町で5件目を買いました。
全て新築で、物件価格は安いものが約2300万円、高いものが約3400万円でした。全て33年ローンで購入し、月々の手出し金額は1件平均約1万円なので、ひと月に約5万円を手出しする計算です。
──どんな運用プランを描いていますか?
定年退職をする65歳以降は給与収入がなくなりますので、繰り上げ返済を行うことで、以降は毎月の収支をプラスにして運用しようと考えています。
──そんなことができるのですか? 具体的にどのように繰り上げ返済をするのでしょう。
具体的には、5件のうち2件を退職する65歳時に売却し、そのキャッシュを残った3件の返済に充てます。46歳から65歳までの返済でローン残債はかなり減っているので、2件分の売却金を利用して3件の繰り上げ返済を行うと、もともと3件で毎月-3万円ほどだった収支が、+1万5千円くらいに良化するだろうとシミュレーションしています。
こうすることで、65歳から完済する79歳までの間は、お金を手出ししないどころか少し受け取りながら運用できるというわけです。そしてローンを完済する79歳以降は、残った3件の家賃収入が30万円弱ほど毎月入ってきて、それを老後の生活の足しにしようと考えています。
──“私的年金”のようなものですね。
そうですね。これだけでは大きな贅沢はできないかもしれませんが、他に公的年金もあるので、夫婦2人が生活に困るようなことはまずないかなと思います。しかも自分たちがいなくなった後、物件を子どもたちに引き継げるのも、ワンルームマンション投資を始めた大きなポイントでした。子どもは2人いますが、複数物件を所有しているので両方に引き継げます。
将来どの物件を売るかは、その時々の相場で決める予定です。特定のエリアの価値が下がった場合のリスクヘッジに、5件をあえてバラバラのエリアで買いました。
──5件分のローンを組むのは大変ではありませんでしたか?
3件目、4件目と買い進めるにつれ、自分の資産状況をより仔細に伝える必要が出てきましたが、審査が滞るようなことは特にありませんでした。そこは、私が有名企業に勤めていることが大きかったのかもしれません。この5件以外にも、12年前にマイホームを購入しており、その住宅ローンもまだ残っています。
──年収はどのくらいですか?
1400万円ほどです。
──5件買うにあたり、心理的なハードルや怖さはありませんでしたか?
あまりありませんでした。私の場合、投資として利率がどのくらいとか、毎月いくらの収入を得たいといったことはほとんど考えておらず、どちらかというと“貯金の延長”と捉えています。
したがってローン完済後に毎月30万円近くの家賃収入を得るプランは、あくまでも順調にいった場合の話で、「最低でも元本割れしなければOK」と考えて気軽な気持ちで始めました。営業マンの方の話を聞き、元本割れする可能性は低いだろうと思えましたので。
当然、リスクがゼロでないことは認識しています。ただ投資を始める前に営業マンの方に「このリスクは、こんなふうにすれば回避できます」とか、「こうすれば損失を最小限に抑えられます」といったことをひととおり挙げてもらえたので、不安はかなり払拭されました。事前にリスクについて洗いざらい聞けたことが、今現在の安心材料ともなっています。
──ワンルーム投資のリスクに関しては、どのように捉えましたか。
極端なことをいえば、関東大震災のような大きな災害が起きたらさすがに何らかの損失を被る可能性がありますが、それを言ったら預金だって銀行が倒産してしまえば損失を被る可能性があります。要はワンルームマンション投資も預金も、全てを失うようなリスクは相当に低いと考えています。
加えてワンルームマンション投資は預金と同じように、日常でやらなくてはいけないことがほぼありません。それでありながら、残せる資産は預金よりだいぶ大きくなる可能性が高い。それを踏まえると、ローンが組める境遇なのであれば、これをやらない手はないだろうと感じました。だからこそ5件も買い進めたというわけです。
──あらためて、Y.A.さんの考えるワンルーム投資のメリットとは?
いい意味で、やっていることを忘れられることです。基本的に手続きは全て不動産投資会社サイドで進めてくれるので、自分がやることといえば、購入時に審査に必要な書類を集めること、そして購入後に確定申告と固定資産税の払込みをそれぞれ年1回やるくらいです。だから本業に影響が出るようなことは全くありません。
私の知り合いで、中古マンションを1棟買い、自分で客付けまでしている人がいます。そのスタイルの不動産投資であれば自分で家賃を決められ、大きな家賃収入を得られますが、かわりに労力もすごくかかります。私はそこまで投資にパワーと時間を使いたくないので、ワンルームマンション投資くらいの運用スタイルがちょうどいいですね。
それともう1つのメリットが、「生命保険」と「年金」の両機能を、ワンルームマンション投資1つでまかなえる点です(※)。不動産投資をしながら、この2つの備えを同時にできるのは、ズボラな私にとって大きな魅力でした。
(※)保険機能に関してはこちら
年金機能に関してはこちら
──ワンルームマンション投資を検討している人に向け、アドバイスをお願いします。
「マンション経営」というと、前述した中古マンションの1棟買いのように、自分でバリバリ手を動かして大きな家賃収入を得ていくものをイメージしがちです。でもワンルームマンション投資をそのイメージで見てしまうと、「毎月の収支がマイナスになる不動産投資なんてありえない…」と始められなくなってしまいます。
実際のところ、ワンルームマンション投資は、そうした不動産投資とは明らかに別ものです。10年、20年とコツコツお金を支払い続ける代わりに、自分の手は全く動かさず、数十年後にまとまった資産を築き上げられる。要は「毎月いくら稼げます」という副業的なものではなく、「利率のかなり良い保険付き積立貯金」のようなものなのです。
そんなふうに、マンション経営という言葉の固定概念から離れることで、ワンルームマンション投資の本当の価値に気付けます。私はそれを、営業マンの方との商談を通して気付けました。