土地が高騰するエリアで投資すれば大儲け!?
ワンルームマンションでの不動産投資というと、東京をはじめ都会の物件で賃貸経営を行うのが一般的です。では、「地方のワンルームマンションで賃貸経営を行う」という選択肢はないのでしょうか? 意外と地方の方が、投資として割がよかったり?? そこで今回は、地方のワンルームマンション投資の是非を検証します。
地方での不動産投資となるとまず思い浮かぶのが、土地の価格が近年大きく上がっている場所です。たとえば、上質なパウダースノーが降り積もることから外国のスノーボーダーやスキーヤーたちから熱い支持を集めている、北海道・ニセコ。特に近年はSNSの影響などもあってその人気は凄まじく、外国人観光客はここ10年で約4倍にも増加したといいます。(2018年の統計)
それにともない住宅やペンション、ホテルの開発も続々と進み、高級物件が立ち並ぶ樺山地区の2019年の地価上昇率は66.7%増(前年比)を記録。地価上昇率は4年連続で全国1位となっています。
ちなみにニセコ以外にも、沖縄本島や宮古島など、土地の価格が高騰する市町村はいろいろあります。こういった場所こそ、賃料というインカムゲインと、売却益というキャピタルゲインの両方が大きく見込め、不動産投資にはうってつけではないのでしょうか?
結論からいうと、こうした場所はワンルームマンション投資には向きません。ニセコをはじめ多くの場所は既にブランド化しつつあり、本来の価値以上に高値になっている可能性があります。なので今買ったとしても、5年後・10年後に価格が維持されるかどうかわかりません。開発の激化や人口増加、基地の建設等々で、「昔の●●ではなくなってしまった」と人気がガタ落ちする可能性もあります。たとえば新型コロナのように、集客に大きな影響を及ぼす事態が突発的に起こることもあるかもしれません。だから投資先としては、高リスクと言わざるを得ないでしょう。
今はまだ安く、この先高くなりそうな場所は?
では、今はまだそこまで地価が上がっておらず、この先大きく上がりそうな場所でのワンルームマンション投資はどうでしょう? もしそれが確実なのであれば、もちろん素晴らしいです。投資先としては、理想的といえるでしょう。
たとえば最近では、トヨタが開発を計画している静岡県・裾野市という場所があります。ここは現在、トヨタ自動車東日本東富士工場があるのですが、トヨタはその工場を2020年末に閉鎖し、その跡地に未来的な実証都市を建設することを発表しました。計画によると、新たな街には自動運転やスマートホーム、AI(人工知能)、ロボットなどの先端技術が積極的に導入され、より高度で人間らしいライフスタイルの実現が見込まれています。
あのトヨタが大きな資本を投入しスマートシティを建設するということで、海外からも注目されているようです。今はまだ周辺の土地は高くないので、今のうちに土地を買っておけば、数十年後には相当な高値に化ける可能性があります。
とはいえワンルームマンション投資においては、そうした場所もおすすめできません。
なぜかというと、ワンルームマンション投資は「資産をできる限り安定的にコツコツ積み上げていく」ビジネスモデルだからです。“生涯保険”や“私的年金”といったニュアンスで活用する人が多いのもそのためです。要は、いかに確実性を高めるかがポイントとなってくる。だから変動リスクの高い物件は、極力避けた方がいいのです。
もし地価が将来上がりそうであっても、それを確実に読むのはプロでも難しい部分があります。
たとえば千葉ニュータウンという場所があります。ここは「首都圏最大のベッドタウン」をキャッチフレーズに、人口30万人以上を見込んで1969年に開発が開始。ところが用地買収とそれによる鉄道建設が思うように進まず、現在の人口は10万人程度にとどまっています。このように大きな発展を見込みつつ、その通りにならなかった都市開発の例は、数多くあります。
また地方の地価は、一つの企業が撤退したなどの要因で一気に下がることが少なくありません。要は一つの企業によって価格上昇が起きている場合は、逆にそれが大きなリスクともなり得る。だからそうした場所は、ワンルームマンション投資においては避けるのがセオリーなんです。
そもそも地方にはワンルームマンションが少ない
そもそも地方には、ワンルームマンション自体があまりありません。なぜなら、東京などに比べ単身者比率が圧倒的に低いから。要はニーズが低いために、ワンルームマンションがあまり建設されないんです。ワンルームマンションがよくあるのは、東京・大阪・名古屋・福岡といった超大都市とその周辺に限られるのが実情です。
札幌、仙台、広島といったそれなりに大きな都市であればワンルームマンションがあるにはありますが、ワンルームの賃貸需要があまり高くないため、入居率はだいぶ下がるでしょう。
加えて地方で不動産投資をする際にネックとなるのが、融資の問題です。ワンルームの賃貸需要が限られるため、金融機関の担保評価が上がりにくいんです。だからローンを組めても満額ではない場合が少なくなく、その際は自己資金をいくらか手出しすることになります。/p>
以上をふまえると、ワンルームマンション投資をするなら、まずはワンルームの需要が高く、かつ地価が長く微増していくような場所が理想的といえます。そう考えると結局は、「東京がベスト」となってくるんです。
都心部は既にかなり価格が上ってしまっていますが、郊外はジリジリと上がりつつあるという状態です。最近は荒川区、練馬区、板橋区などでも開発が進み出しており、その辺りを狙うのも一手でしょう。また前述のように大阪・名古屋・福岡などの大都市も、地価が長く微増し続けることが考えられ、ワンルームマンション投資には向いています。
そうした大都会以外でのワンルームマンション投資はおすすめできないと言ってきましたが、反対に地方在住の人が東京や大阪のワンルームマンションで賃貸経営をするのは、バリバリ「あり」だと思います。ワンルームマンション投資では賃貸管理や建物管理を管理会社に委託するのが一般的なので、現地に全く行くことなく遠隔で賃貸経営を完結できます。実際にそうしているは少なくありません。
そうした遠隔でのワンルームマンション投資については、別記事で詳しく紹介する予定ですので、そうぞおたのしみに。