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令和元年、不動産投資向けの新築ワンルームマンションは危険?高い? その実態は!?

作成者: NAVIVA運営部|2019年10月11日

不動産投資の世界でよく話題に上がるのが「新築と中古、どっちが得なのか」という問題です。最近は「新築ワンルームマンションは危険だ」とか「中古物件の方が割安でお得」といった声もありますが、実際はどうなのでしょう。

それを考えるうえで、まず一番につかんでいただきたいのが、双方のビジネスモデルの違いです。実は新築と中古では、販売側の収益をあげる構造がかなり異なります。

新築物件の価格は、ブレ幅が大きい

まず新築物件の多くは、販売会社が土地を仕入れるところから始め、建物を建てたうえで販売します。いわゆる「ディベロッパー」ですね。ディベロッパーは開発費用や営業費用、その他会社の経営にかかる費用を、物件販売の利益から回収します。だからそれらの費用が多くかかってしまったら、必然的に販売価格を上げることになります。

また新築の場合、ディベロッパーが想定した賃料や管理コストも、物件価格を決める一要因となります。でも実際にはまだ入居者が入っていない状態なので、賃料などはあくまで青写真にすぎません。だから場合によっては、あまり現実的ではない数字になったりもするわけです。

したがって新築物件の販売価格は、業者や案件によってかなり高低が出てきます。中には、相場よりだいぶ高く値付けされる物件もあります。逆にいえば、販売会社にきちんとノウハウがあるため安価で開発され、余計な販売コストも抑えられ、かつ相場に即した賃料をきちんと想定している物件が狙い目となります。

では中古物件の方はどうでしょう。中古の場合、まずは不動産会社が物件のオーナーから物件を買い付け、それを新たなオーナーに売却する。その差額が不動産会社の収益となります。

では、販売価格はどう決まるのか。実は中古物件の販売価格は、実質的に金融機関が決めることになります。なぜなら、ローンが下りないと売買が成立しないからです。ただ中古の場合、値付けの元になる賃料や管理費、修繕積立金などは既に実際の数字が出ているだけに、どんな金融機関でも物件価格はだいたい同じようなものになります。
※上記はローンを組んで購入する場合の話、不動産投資のローンについての記事はこちら

中古は追加の出費リスクがつきまとう

では、以上のような構造的な違いをふまえたうえで、双方のメリット・デメリットを見比べてみましょう。

まず新築のメリットとして挙げられるのが、「設備が新しい」、「入居者が入りやすい」、「高い賃料を取れる」、「瑕疵担保の保険が付いている」などです。瑕疵担保の保険というのは、新築住宅を供給する事業者が加入を義務付けられている保険のことで、正確には「住宅瑕疵担保責任保険」といいます。新築で買った住宅に構造的欠陥が見つかった場合、引き渡し後10年以内であれば補修費用等を保障してもらえます。

逆に新築のデメリットとしては、「利回りが低い」、「物件価格が高い」、「管理費・修繕積立金以外の修繕積立基金が発生する」などがあります。前述のようにデベロッパーの様々な費用が物件価格に乗るため、結果的に中古よりも利回りは低くなりがちです。また最初に管理組合が発足するタイミングで、10万円ほどの修繕積立基金をオーナーが供出する必要があることが多いです。

では、中古の方も見てみましょう。まずメリットは、「利回りが高い」、「物件価格が安い」、「今までの管理や修繕の状況、賃料がわかる」などです。新築よりも物件価格が割安なため、結果的に利回りは高くなる傾向があります。それと、物件の貸し出し実績が既にあるため、賃料などの想定がしやすいという魅力もあります。

一方中古は「設備が古い」、「新築のような高い賃料がとれない」、「瑕疵担保保険が付いていない」、「直近で修繕積立金が上がったり、設備関係で追加コストがかかる可能性がある」などのデメリットも抱えます。たとえば築10年とか15年経った頃に修繕積立金が毎月2000円から5000円に上がったり、エアコンなど室内設備の入れ替えが必要になるなど、追加の出費が発生するリスクは新築よりかなり大きめです。

“入り口”を間違えなければ、新築にも大きな旨味が

で、気になるのは「結局、どっちが得なの!?」というところですよね。結論としては、「双方それぞれに旨味があり、自分に合った方を選ぶべき」となります。ではどんな人がどっち向きなのでしょう?

まず、長く安定的に不動産経営をしていきたいという方は、新築がおすすめです。入り口=購入価格さえ間違えなければ、中古にありがちな賃料が大きく下がる、修繕費がかさむといった変動リスクをあまり気にせず、安定的に収益を上げられます。また新築の場合、減価償却の耐用年数が47年まるまる残っていて、その間かかる費用を経費に計上できるので、税金対策の面でも魅力です。

特に、自分が死んだ時に子供に家を残してあげたいという方は、寿命の長い新築を買ってそれを終身保険的なイメージで長く運用し続けるのが非常におすすめです。

では、購入価格を間違えないためにはどうすればいいか。購入を検討する際には、ぜひ販売業者にその物件価格や賃料が相場と比べてどうなのかがわかる資料を提示してもらいましょう。販売会社にとって都合のよい一部の事例のみを提示される場合もあるので、そこは注意が必要です。

一方、資金や収入に余裕がなく、まずは向こう数年間のキャッシュフローを増やしたいという方は、やはり物件価格が安くて利回りの高い中古物件になるでしょう。とはいえ賃料を大きく下げざるを得ない、修繕費がかさむといった変動リスクとうまく付き合っていく必要があります。だからそれなりに中古物件運用の知識がある方、あるいは勉強する意志のある方におすすめしたいところです。

というわけで、世の中的には中古物件の方がお得との声もある昨今ですが、新築物件や新築ワンルームマンションにも、ならではの旨味が存分にあります。ぜひ新築・中古双方の特徴をつかんだうえで、ご自分にぴったりな方を選んでもらえればと思います。