NAVIVA ナビバ - 不動産投資裏事情

投資の価値を大きく高める「複数物件所有」と「繰り上げ返済」

作成者: NAVIVA運営部|2021年2月04日

1件だけ持つ人より複数件持つ人の方が断然多い

ワンルームマンション投資の世界では、実は物件を1件だけ持つ人より、複数件持つ人の方が多いのをご存知でしょうか。筆者の周りでは、実感値としてはワンルームマンションを投資する人の7~8割が複数件を持っているイメージです。いったいなぜ多くの人が、複数物件を所有するのでしょうか?

物件を複数持つメリットにまず挙げられるのが、当然ではありますが、持っている物件の数だけ投資効果も2倍、3倍と高まることです。たとえば、ローン完済後に得られる家賃収入について。もし1件あたりの賃料が8万円なら、2件持っていれば16万円を、3件持っていれば24万円を毎月得られます。

また、ローン返済期間中の「生命保険効果」に関しても、同じことが言えます。ローンを組む際には団体信用生命保険に入ることになるので、もし1件の物件が2千万円程度で売れると考えると、その2千万円を「万が一のことが起きた時の保障額」とみなせます(※)。したがってその補償額も、2件なら4千万円、3件なら6千万円と、物件の数だけ膨らんでいくのです。

※生命保険効果について

さらには物件を取得した直後の数年間に得られる「節税効果」に関しても、あるいは物価が上がっても不動産であれば貯金のようには資産価値が目減りしにくいという「インフレ対策」の効果に関しても、物件が2件・3件と増えることで2倍・3倍となります。

※インフレ対策の効果について

ちなみにワンルームマンション投資の毎月の収支(※)は、1件につき-1万円程度になることが一般的です。もちろんこちらも所有する物件の数だけ増えますが、2件のローンを組める所得帯の人にとっては手出し金が−2万円になったところで、5件のローンを組める所得帯の人にとっては手出し金が−5万円になったところで、それほど大きな負担にはならないのではないでしょうか。だからこそ、ローンの与信枠が許す範囲で2件・3件と複数件持つ人が多いのです。

※オーナーが毎月受け取る家賃収入(一括借上げ料・サブリース料)から、オーナーが毎月支払うローン返済額と管理費等を引いた額

“収穫時期”を人生の手前の方に持ってこれる

実はそれ以外にも、複数物件所有には大きなメリットがあります。それは「繰り上げ返済」がしやすくなることです。繰り上げ返済とは、はじめに設定した返済計画の途中で、余剰資金を元金返済に充てることを指します。それにより元金を減らし利息を圧縮でき、結果的に総支払額を減らすことができます。また繰り上げ返済には、運用状況を自分の人生設計に柔軟にフィットさせられるという、大きなメリットもあります。

たとえば65歳で定年退職の人が、40歳でワンルームマンション投資を始めるとしましょう。普通に35年のフルローンを組んだ場合、完済するのは75歳になります。ところが物件を1件ではなく2件買い、65歳時点で片方を売却してそのキャッシュをもう1件の返済に充てれば、残った方のローンを完済できる可能性があります。

これはその時々の市況によるので確実とは言い切れませんが、昨今のトレンドを鑑みると、2つの物件を25年持って片方を売ってもう片方のローンをまるっと完済できる可能性は充分にあるでしょう。

もちろん2件持つことで、毎月の手出し金も増えます。1件1万円だとすると、25年間で300万円を余計に払うことになります。ただしそのぶん、完済年齢を前に持ってこれる。もし残した物件で年間100万円の家賃収入を得られるとすると、65歳から75歳までの10年間で1000万円となります。それがまさに定年退職後の“私的年金”の役割を果たしてくれるのです。

つまり「複数物件所有」と「繰り上げ返済」を組み合わせることで、ローン完済後の“収穫時期”を、人生の手前の方に持ってこれるわけです。それにより、体が元気なうちに好きなことに打ち込めますし、旅行にも行きやすくなるでしょう。逆にもし“私的年金”がまだ必要なさそうな状況であれば、家賃収入を元手に別の投資を始めることもできます。

さらには所有物件が5件ほどあると、こんなスケールの大きな運用方法も可能になります。まずは30歳頃までにワンルームを5件買い進めます。その後、物件が損益分岐点(※)を過ぎる15年~20年後くらいに、そのうちの2件を売却し、そのキャッシュを残りの3件の繰り上げ返済に充てる。

※ここでいう損益分岐点とは、以降に物件を売ればトータルの収支がプラスになるというポイントのこと

そうすると、残った3件のキャッシュフローがトータル1~2万円のプラスとなるので、毎月支払うどころかお金を少し受け取りながら運用できます。そして全ての物件を完済する65歳頃より以降は、3件分の家賃約20数万円を毎月得られる算段です。

こんなふうに運用の選択肢を大きく広げられるところが、複数物件所有と繰り上げ返済を組み合わせる最大のメリットと言えます。人生設計というのは、家族や仕事の状況により計画通りにはなかなかいかないのが常。そんな中でも物件を複数持っていれば、かなり柔軟に対応していけます。

保険効果を大きくしたい場合は繰り上げ返済はNG

物件を複数持つ際に心がけたいのが、物件のエリアを分けることです。エリアを分けることで、思わぬ価格上昇の恩恵に授かりやすくなりますし、逆に万が一物件の価値が下がる場合のリスクも分散できます。もちろん、「ここは!」という確信があれば、同じエリアや同じマンションで複数物件を買うことも決して間違いではありません。

それと、たとえ繰り上げ返済をできる状況であっても、その人のライフスタイルによっては繰り上げ返済しない方がいいケースもあります。たとえば小さな子供を養っているなどの理由で、生命保険効果をできるだけ大きくしたい場合です。なぜかというと繰り上げ返済をしない方が、要は残債が多く残っている方が、団信による生命保険効果が大きくなるからです。

このように、決して「繰り上げ返済=正義」というわけではないことも、ぜひ頭に入れておきましょう。ちなみにこれまで述べた繰り上げ返済の各ケースを見ても分かる通り、繰り上げ返済には毎月の返済額は変えず完済時期を手前に持ってくる「期間短縮型」と、完済時期は変えず毎月の返済額を少なくする「返済額軽減型」の2種類があります。こちらも自分の状況に応じて、柔軟に選んでいきたいところです。

以上を念頭に入れながら、ぜひ「複数物件所有」と「繰り上げ返済」をうまく活用し、より自分の人生にフィットしたワンルーム運用を実現いただきたく思います。