このさき「事故物件投資」がブームに?その驚きの収益性 /成仏不動産インタビュー②

もし賃貸経営を行う物件で人が死んでしまった場合、その物件は「事故物件」となり、物件価値は大きく下がりかねません。

一方、そんな事故物件を再生させ、賃貸運用や売却を行って収益を得る「事故物件投資」という不動産投資法もあります。事故物件を専門に紹介するウェブサイト『成仏不動産』を運営する株式会社MARKS 代表取締役社長・花原浩二氏に、事故物件投資の仕組みと、その驚きの収益性について聞きました。

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【インタビュイー紹介】
株式会社MARKS
代表取締役社長 花原 浩二 様

前回の記事はこちら
事故物件紹介サイト「成仏不動産」が見た事故物件のリアル /成仏不動産インタビュー①

事故の内容が重いほど大きな“レバレッジ”が働く

──事故物件を不動産投資にまわす「事故物件投資」とは、どんなものでしょう?

事故物件に特殊清掃を施した後、リフォームなどをして付加価値を付けてから、賃貸運用や売却にまわす不動産投資のことです。

実は事故物件は、投資にはとても有用だと考えています。

IMG_7336(写真:リフォーム後の事故物件)

──なぜ事故物件が、投資に有用なのでしょう?

うまくいけば、かなりの運用利回りを得られるからです。

ちなみに、よく「事故物件は物件を安く買えるので、そのぶん運用利回りが高くなる」と思われがちですが、それは正確ではありません。なぜなら事故が起こることで、物件価格と同時に、賃料も下がるからです。したがって賃貸にまわし始めた時点での利回りは、普通それほどよくはなりません。

では投資として何が有用かというと、いわゆる“期待利回り”が非常に良いのです。通常の物件なら、築年を重ねると賃料が段々下がるので、利回りも下がっていきますよね。対して事故物件の場合、初めに賃料が大きく下がった状態でスタートしているので、5年後・10年後と年数を重ねるごとに事故の影響が弱まり、賃料と利回りを上げていけるのです。

──なるほど……!

年数を経て賃料が上がれば、当然、売却価格も上がります。したがって事故物件投資は、長く運用するほど利回りが高まり、キャピタルゲイン(売却益)も大きくなりやすいのです。その点、通常の不動産投資とは大きく違いますよね。

また成仏不動産などのサービスを利用して、事故物件を気にしない借り主を見つけられれば、家賃も大きくは下げずに済むでしょう。そうなれば、初めから良い利回りで賃貸経営をスタートできます。

さらに言えば事故物件には、他殺や自殺など事故の内容が重くなるほど、キャピタルゲインが大きくなりやすい特徴もあります。

──なぜ事故の内容が重いと、売却益が大きくなりやすいのでしょう?

事故が重いほど、物件の価値がいったん大きく下がるため、そのぶん年数を経て戻る幅も大きくなるのです。その幅が、そのままキャピタルゲインとなります。逆に発見までの時間が短い孤独死などは、物件価格が大きくは下がらないでしょうから、キャピタルゲインも大きくなりにくい。要は事故の内容が重いほど、投資としての“レバレッジ”が働きやすいということです。

──では反対に、事故物件投資のデメリットはなんですか?

1つネックになるのが、銀行からの融資が降りにくいことです。金融機関としても、事故物件投資に関する過去データがほとんどないので、融資していいものかどうか判断しにくいのです。したがって現状では、事故物件の購入は自己資金でまかなう必要があります。ただ事故物件は、ほんの数百万円で買えるものも少なくありません。

年々利回りが上がる仕組みを知る人はまだ少ない

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──これだけ有用なのに、なぜ事故物件投資はメジャーではないのでしょう?

さきほどの「事故物件はレバレッジが効く」というのが、ほとんど知られていないからではないでしょうか。これまでも事故物件を不動産投資にまわすケースはあったのでしょうが、「年々、利回りがよくなっていく」と打ち出した会社さんは、今までなかったと思います。実は弊社も、そのことに最近まで気づきませんでした。

──なぜそこに気づけたのですか?

投資家向けのセミナーを1回やった頃に、ふと「もしかしたらこれって『利回りが良いもの』ではなく、『良くなっていくもの』では?」と思ったのです。それできちんとシミュレーションしたところ、確かに年数を経るほど、収益性が高まりそうだなと感じました。そこにみなさん気づき出すことで、このさき事故物件投資は、ちょっとしたブームになるかもしれません。

そこで弊社では2020年11月より、サイト掲載前の事故物件情報を会員投資家に伝えてマッチングを行う「成仏物件倶楽部」のサービスも始めました。会員登録は無料で行えます。

ちなみに事故物件というと、貸主が1番目の入居者には事故があったことを告知しつつも、2回転目や3回転目以降の入居者には告知しないケースが少なからずあります。事故物件情報サイト「大島てる」さんなどに掲載されない限り、告知をやめることで賃料を通常の値段に戻せるからです。物件を安く取得し、数年後に通常の賃料で貸せるのですから、利回りは高くなります。

ただ成仏不動産としては、そうしたやり方は推奨していません。

──法律上、告知し続けなければいけないのですか?

いえ、法律では心理的瑕疵がある場合は告知するよう求めていますが、全ての入居者に告知しなければいけないと決まっているわけではありません。したがってどの入居者まで告知するかは、グレーゾーンなのです。

ただ告知をしないと、事故物件と知らずに入居して、何かのきっかけで事故の存在を知って嫌な思いをする人も出てくるかもしれません。それをきっかけに、トラブルや訴訟が起こる可能性もあります。当然、訴訟では負ける可能性もあります。

したがって成仏不動産としては、事故の情報をきちんと開示した上で事故物件を有効活用してもらうことを目指しているのです。

物件事故の備えには「見守りサービス」と「孤独死保険」

──事故物件があまり気にならないユーザーもいるとのことですが、どんな人たちでしょう?

いろいろな方がいらっしゃいますが、たとえばデイサービスの仕事に携わっている方の中には「ついこのあいだ元気だったおじいちゃんが突然亡くなるようなケースが日常的にあるので、孤独死と聞いても『気の毒だな』とは思うけど、怖いとは感じない」とおっしゃる方もいました。一概には言えませんが医療関係の仕事や介護職などで、人の死に日常から接している方々は、事故物件に対する抵抗も低い傾向にあると思います。

──では、既に不動産投資を始めている人が物件事故に備えるには、どのような方法がありますか?

おすすめなのが「見守りサービス」です。これは住居の壁や天井にセンサーを設置し、入居者の動きを一定期間確認できない場合に電話をかけるサービスです。センサー以外にも、電気の使用状況や水道使用量を確認するものなど、いろいろなタイプがあります。安いものだと、1日5円程度の料金で導入できます。

もう1つおすすめなのが、「孤独死保険」のサービスです。これは万が一孤独死が起こってオーナーに損害が生じた場合、保険料が支払われるものです。家主が入るタイプと、入居者が入るタイプの2つがあります。

それと事故が起きるのは、暗い部屋が多い傾向があります。1階で窓がほとんどない部屋などが挙げられます。やっぱり人間は、環境に少なからず影響を受けます。だからパッと見てあまりに暗い雰囲気の部屋に投資するのは、避けた方がいいかもしれません。またリフォームする際は、床を黒や焦げ茶色などの暗い色にするのは避け、明るめの色合いにすることをおすすめします。

──それでももし物件で人が死んでしまった場合、どうすればよいでしょうか?

当然ですがまずは警察や家族など関係各所に連絡すると共に、一刻も早く特殊清掃を行うことです。

その際、専門知識のない業者さんに頼むと、汚れやニオイが落ちきらず2度手間・3度手間になってしまったり、逆に壊さなくてもいいところまで壊してしまったりする場合があるので、特殊清掃を専門に行う業者さんに頼むようにしましょう。そしてその後の再生法や売却に関しても、事故物件を日頃からよく扱っていて知識が豊富な不動産業者さんに相談するのがいいでしょう。

その点、弊社は事故物件を専門に特殊清掃から買取・リフォームまでをワンストップで行っているので、事故が起こったらまず成仏不動産に連絡するのが、正直一番スムーズだと思います。

──最後に事故物件投資に関して、投資家に向けメッセージをお願いします。

投資と言えば、こんな有名な格言があります。「人のいく裏に道あり 花の山」。これは「多くの人がやっていないからこそ大きなうまみがあるのであり、みんながやり出してからでは遅い」という意味です。

事故物件投資に関しても、まさにこれが当てはまります。広く認知されてからではうまみも小さくなるので、始めるならブルーオーシャンである今のうちがいいのではないでしょうか。

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さらに成仏不動産インタビュー③では、「事故物件」と「社会貢献」の意外な繋がりについて聞いています。

“ワケあり物件”を再生する!事故物件と社会貢献の意外な関係 /成仏不動産インタビュー③

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