NAVIVA ナビバ - 不動産投資裏事情

保険vsワンルームマンション投資。それぞれの「保険効果」を比較してみた!

作成者: NAVIVA運営部|2020年8月31日

ワンルームマンション投資をはじめ、多くの不動産投資は、“生命保険的な機能”を備えます。一見、不動産投資がなぜ生命保険に?とも思いますが、それを可能にしているのが団体信用生命保険=団信という制度です。

団信に入っていると、もしローン返済者が死亡したり高度の障害を負って支払不能になった場合、残債の全額が団信から金融機関に支払われます。つまりローン返済者は、残債の支払いが免除されるのです。いわば金融機関とローン返済者の双方を助ける保険制度だけに、物件購入でローンを申し込む際には多くの場合、金融機関から団信への加入を求められます。

とはいえ生命保険といえば、そもそもそれに特化した保険があるわけで、実際に世の多くの人が加入しています。果たしてワンルームマンション投資の生命保険効果と、そうした一般的な生命保険では、どちらが保険として優れているのでしょう?

そこで今回は、それぞれの掛け金や保険効果などを見比べながら、両者を比較検討していきます。

ワンルーム投資と一般保険の保険効果を比較!

まず一般的な生命保険は、掛け捨て型の「定期保険」と、積立式の「終身保険」に大別されます。そこにワンルームマンション投資を加えた3種を、10年運用した場合、20年運用した場合、30年運用場合で比較検討していきます。比べやすいように、得られる補償額は、2000万円相当に統一しました。

ワンルームマンション投資は、一般的な例として下記の条件で計算しています。

■30歳で都内の2880万円の物件を金利1.65%・35年ローン購入

ローン返済 月9000【融資額2870万円】
家賃収入 月9000円
管理費 7000円
修繕積立金 3000円

■10年後の比較

  ワンルーム
マンション投資
定期保険
(掛け捨て型)
終身保険
(積立金)
掛け金(月々の支払額) 1万円 0.4万円 4.5万円
10年後のその他経費 70万円 なし なし
10年後の掛け金合計 120万円 48万円 540万円
10年後の想定補償額 2000万円 2000万円 2000万円

※この価格で売却できると想定。あくまで想定ですので将来にわたり保証されている金額ではございません。

■20年後の比較

  ワンルーム
マンション投資
定期保険
(掛け捨て型)
終身保険
(積立金)
掛け金(月々の支払額) 1万円 0.7万円
※10年更新で保険料が0.7万円に上がる
4.5万円
20年後のその他経費 70万円 なし なし
20年後の掛け金合計 240万円 132万円 1080万円
20年後の想定補償額 2000万円 2000万円 2000万円

※この価格で売却できると想定。あくまで想定ですので将来にわたり保証されている金額ではございません。

■30年後の比較

  ワンルーム
マンション投資
定期保険
(掛け捨て型)
終身保険
(積立金)
掛け金(月々の支払額) 1万円 1万円
※10年更新で保険料が1万円に上がる
4.5万円
30年後のその他経費 70万円 なし なし
30年後の掛け金合計 360万円 252万円 1620万円
30年後の想定補償額 2000万円 2000万円 2000万円

※この価格で売却できると想定。あくまで想定ですので将来にわたり保証されている金額ではございません。

保険効果の高さでは定期保険がトップ

上のシミュレーションを元に、各保険の特徴を挙げていきましょう。

「定期保険」だと2000万円の保証を得るのに、掛け金は月々0.4~1万円程度ですみ(更新ごとに掛け金が上がっていく)、利回りの良さが目立ちます。ただし30年や40年といった所定の期間を終えると、掛け金は基本的にほとんど戻ってきません。つまり少ない金額で大きな保険効果を得られる反面、資産構築性はほぼゼロといえます。

「終身保険」は、同じ2000万円の補償を得るには月々4.5万円程度が必要で、利回りでは大きく劣ります。一般的なサラリーマンにこの掛け金は、なかなかの負担ではないでしょうか。ただし掛け金のうち、貯蓄として積み立てた分は満期時に戻ってくるので、貯蓄性は備えています。

一方ワンルームマンション投資は、月々1万円程度の支払いながら、もし死亡や高度障害が起こった場合はただちに残債が免除されるため、無借金の賃貸用マンションが手元に残ります。これが2000万円ほどで売れると想定すると、定期保険に迫る利回りとなります。もちろん、売らずに家賃収入を得続けることもできます。

またワンルームマンション投資なら、死亡などが起こらずにローンを完済した場合、物件という2000万円相当の資産が手元に残ります。つまり定期保険に少しプラスした掛け金で、大きな資産構築性も担保されるというわけです。

ちなみに最近のワンルームマンション投資は、がん保険や8大疾病などの「疾病保険」的な機能もオプションでつけられることが普通です。

インフレに強いのは断然、不動産投資

とはいえ「不動産は年数が経てば経つほど劣化するので、売却価格も下がっていくのでは?」と思うかもしれません。でも経済の実情をふまえると、その可能性は低いでしょう。

普通に考えれば、物価というものはよほどのことがない限り、10年後も20年後も30年後も上がっていきます。身の回りのものを見てみても、ほとんどのものが、昔より明らかに値上がりしています。かつての高度成長期であれば値上がりも当然ですが、日本経済が低迷期に入った2000年以降にあっても、物の値段は上がっていますよね。

それをふまえると物件の価格も家賃も、物価に合わせて上がっていくと考えるのが普通です。特に地価の大きな下落が考えづらい東京23区の物件であれば、それはほぼ間違いないでしょう。だから経年劣化したとしても、物価上昇がそれを補い、おそらく10年後も20年後も30年後も元の価格くらいでは売れるのではないでしょうか。もっと高く売れることも充分ありえます。

一方保険の方は、契約時に補償額が決まります。だからひとくちに2000万円の補償額といっても、物価が上がるであろう10年後・20年後・30年後の2000万円は今より価値が下がっている可能性が高い。たとえ終身保険で積立分が戻ってきたとしても、物価上昇をふまえると支払った分の価値は戻ってこないと考えるのが妥当でしょう。

つまりは、補償の額面がはじめに決まって固定される保険はインフレに弱く、掛け金が物件や家賃に変わる不動産投資はインフレに強い(物価上昇に対応できる)といえます。将来もし大幅に物価が上がった場合、保険で得られる補償の実質的価値は大きく下がってしまうわけです。保険商品を検討する際は、ぜひその点も考慮したいところです。

以上をふまえると、ワンルームマンション投資は保険効果を備えながら資産が構築でき、さらには将来のインフレにも備えられるという「いいとこどり」な投資商品といえます。だから一度でいろいろカバーしたい人には、うってつけの商品といえるでしょう。

一方でワンルームマンション投資は、一般的な医療保険のような「入院したら●●円」「手術したら■■円」といった細かな保障は得られないという弱点もあります。だから保険機能をもう一歩充実させたい場合は、ワンルームマンション投資と一般保険をリスクヘッジの意味も込めて併用するのもいいでしょう。もちろん、保険機能になるべく特化させたい場合は、保険のみに入るという選択肢もあります。

ご自分にぴったりマッチしたプランを選ぶのに、今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。