ワンルームマンション投資でローン金利2.0%はお得? 金利を抑える方法は??

今であれば金利2.0%は平均的な数字

ワンルームマンション投資をはじめ不動産投資でローンを組む際は、事業用ローン(不動産投資ローン、アパートローン)を組むことになります。事業用ローンは、マイホームを買う際の住宅ローンより金利は高いことが一般的です。そして事業用ローンを扱う金融期間は、住宅ローンを扱う金融機関に比べると、数がだいぶ限られてきます。

ちなみに金利の種類は、最初の金利のままずっと動かない「固定金利」と、世の中のレートなどに合わせて金利が変わっていく「変動金利」の2種類があります。ただし事業用ローンの固定金利の場合、金利が10数%にもなってしまうので、不動産投資で固定金利を利用する人はそうそういないでしょう。したがってワンルームマンション投資では、実質的に変動金利一択となります。

では近年の事業用ローンの金利は、どんな水準にあるのか。実は、かなり低い水準にあるんです。十数年前であれば3%前後が普通でしたが、今は1%台の中盤から2%台が主流になっています。だから記事タイトルにある「金利2.0%」というのは、平均的な数字といえるでしょう。金融機関によっては、もっと低いプランも、逆に高いプランもあります。

そして何といっても気になるのは、「ローン金利を抑えるにはどうすればいいか」でしょう。以下では、ワンルームマンション投資を始める際に、できる限り有利なローンプランを選ぶ方法を紹介します。

実績が一定以上ある不動産投資会社を選ぶ

まず大切なのが、ある程度実績のある不動産投資会社を選ぶことです。ローンを組む際は、実質的にその物件を扱う不動産投資会社が提携する金融機関のローンプランを選ぶことになります。ワンルームマンション投資の場合、多い不動産投資会社で10社くらいの金融機関と提携しています。

ところが実績が少ない不動産投資会社だと、提携金融機関がわずかだったり、提携金融機関に好条件のローンプランがなかったりもします。だから良いローンプランを組むには、実績の乏しい不動産投資会社は避け、一定以上の実績がある不動産投資会社の物件にすることがポイントになってくるのです。

実績をはかるうえで一つの指標となるのが、管理戸数です。その会社が管理するワンルームマンションの戸数(部屋数)が1万戸もあれば、かなり実績がある会社と判断できるでしょう。管理戸数は不動産投資会社のウェブサイトに載っている場合もありますし、たとえ載っていなくても営業マンに問い合わせれば教えてくれます。

表面上の利率だけで決めるべきではない

加えて大切になるのが、「表面上の金利の数字だけで判断しないこと」です。なぜかというと事業用ローンには、がん保険といった付帯サービスが付くことが一般的で、ローンプランによってその内容が変わるからです。

たとえば、金利1.65%のローンプランAがあるとします。こちらには、申込者ががんにかかった場合、ローンの残債が半額に免除される特約がついている。対してローンプランBは金利1.64%ですが、がんに関する特約は付いていない。この場合、もし加入者ががん保険を利用したいと思っているのなら、少し金利が高くても特約が付くAの方がお得と考えられるでしょう。

ローンプランの中には、就業不能となった場合や、8大疾病にかかった場合に手厚い補償が付くものもあります。たとえ金利が多少高かったとしても、自分で別に生命保険に入って同等の補償を付けるのに比べたら、金額的にお得かもしれません。

このようにローンプランを選ぶ際は、単純に一番金利が低いものを選ぶのではなく、付帯するオプションもきちんとチェックしたうえで選ぶことが重要になります。

ちなみに最近は、繰り上げ返済をする際に手数料がかからないローンプランが一般的になっています。だからよほど金利が低いとかでない限り、繰り上げ返済手数料がかかるローンプランは避けた方がいいでしょう。そこもローンを組む際は、頭に入れておいてください。

短期プライムレートか、長期プライムレートか

ちなみに少しマニアックな話になりますが、その金利レートの基準が「短期プライムレート」なのか、「長期プライムレート」なのかもチェックしておきたいところです。金融機関のローン金利は、そのどちらかのレートを基準にしていて、そこに金融機関が受け取る手数料=スプレッドを乗せたものが、実際の貸し出し金利となります。そして変動金利であっても、スプレッドの率は最初の数字で固定されます。

つまり将来的に金利が上下しても、スプレッドの率は変わらないだけに、借りる方にとってはスプレッドは低いに越したことがないともいえるんです。

そして現在のレートは短期プライムレートが1.465%で、長期プライムレートが1.05%です(ともに2020年5月時点の数字)。それをふまえると、同じローン金利で片方が短期プライムレートを、もう片方が長期プライムレートを基準にしていれば、短期プライムレートを基準にしているものの方がスプレッドは低いことになります。もし金利を選べる状況なら、そこも判断材料にしたいところです。

ちなみに短期プライムレートは、10年ものの国債のレートと同じような動きをすることが多く、動きはかなり少なめです。対して長期プライムレートは頻繁に変動しており、変動の幅も大きめです。そういう意味でも、選べるのであれば短期プライムレートに紐付いたプランを選んだ方が、金利の安定性も高いといえるかもしれません。もし同内容のローンプランを選べるのであれば、筆者なら間違いなく短期プライムレートの方を選びます。

とはいえ今後長期プライムレートがより低くなる可能性もあるし、短期プライムレートが大きく上がらないとも言い切れないので、その辺りの判断は難しいところです。不動産投資会社の担当者の意見も聞きながら判断するのがいいでしょう。

それともう一つ念頭に入れておきたいのが、今は金利が低い反面、物件価格が全体的に高くなっていることです。物件の価格水準が高いということは、相場より高いものをつかまされがちな時期ともいえます。だから購入の際は、他の同条件の物件と比べるなどして、適切な価格かどうかをきちんとチェックするようにしましょう。

まとめます。ワンルームマンション投資でローンを好条件で組むには、まずはいいローンプランを選べる不動産投資会社=一定以上の実績がある不動産投資会社の物件にすること。そして表面上の金利だけでなく、付帯サービスの内容もふまえて判断することが大切になります。さらには、同じような内容のプランが選べる場合は、短期プライムレートベースか長期プライムレートベースかも検討材料に含める。以上をふまえ、ぜひ好条件のローンを組んでいただければと思います。

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現役サラリーマンオーナー・中林準

Jun Corporation代表 中林準。 立教大学卒業。 大学3年次、イギリスへ1年間交換留学後、日商簿記1級、米国公認会計士資格合格。 大学卒業後は、商社の経理部で主に海外事務所・現地法人の管理に携わる。 その傍ら、社会人2年目(2011年)の時に、区分マンション購入から、不動産投資を始め、2018年に1棟マンションを購入する。現在は都内に4区分マンション、1棟マンションを所有している。1年間グロス家賃収入は2000万円。過去に中国駐在経験もあり。CFP、1級ファイナンシャルプラン技能士、宅地建物取引士、管理業務主任者(資格合格)。 2013年9月Jun Corporation設立。若手のサラリーマン・OLを中心にした不動産コンサルティング業務を行っている。