職場や携帯電話に突然かかってくる、ワンルームマンション投資など不動産投資の営業電話。それをきっかけに不動産投資を始めて成功するケースも少なくないので、一概に悪いものとは言えませんが、信用できない業者が混じっていることも事実です。
そこで今回は、不動産投資の電話営業マンが信用できるかどうか見分ける方法を、いくつかの観点からご紹介します。
不動産投資の電話営業には「ルール」が決まっている
まず1つの大きな目安となるのが、「電話営業のルール」を守れているかどうか。実は不動産投資の電話営業に関しては、宅地建物取引業法で、禁止行為が定められています。禁止行為とは、大まかに以下のようなものです。
- 会社名を名乗らずに勧誘する
- 契約する意志がないことを示している相手を繰り返し勧誘する
- 長時間にわたって勧誘電話を切らせない
- 深夜や早朝に勧誘電話をかける
- 契約の締結を判断する時間を与えない
- 自宅に押しかけて契約等を迫る
こうした禁止行為が発覚した場合、その不動産投資会社には業務停止などの行政処分が下されることがあります。
不動産投資会社にとって、業務停止は死活問題です。たとえ2〜3ヶ月の業務停止であっても、多くの不動産投資会社が経営的にいきづまるでしょう。したがってこうした営業電話のルールは、普通であれば社内で周知され、守られています。したがってそれを守れていない会社は、経営的に尻に火がついているか、そもそもモラルの低い可能性があります。上記のルールが守れていない時点で「信用できなそう」と判断してしまっていいのではないでしょうか。
「絶対に」「100%」という言葉が出たら注意
また電話営業にらず、営業マンの以下のような言動からも、「信用できなそう」と判断できます。
×「絶対に」「100%」などと言い切る
「損をすることは100%ありえません」「この物件なら10年後も絶対2000万円以上で売れますよ」など、不確定であるはずのことを、言い切るタイプです。この手の営業マンは、売りたい気持ちが強すぎてお客のことを考えない、信用できない相手と言えるでしょう。
×買い取りを約束する
中には「●年後に■万円で買い取りますよ」などと買い取りの話をもちかけ、契約にこぎつけようとする業者もいます。ただ、こうした約束は守られる保証はなく、そもそも買い取りの話を約束すること自体、宅地建物取引業法違反にあたります。したがって、契約前に買い取りの話が出た時点で、信用に値しないと判断できるのです。
×リスクを全く説明しない
いい話ばかりを繰り広げ、リスクに関しては全く伝えない相手も、信用には値しません。どんな投資であっても、リスクは必ずあります。特に少なくない金額を投じる不動産投資の場合、リスクに全く触れないのは、営業マンとして不誠実でしょう。
×ちょっとした約束を守れない。
ちょっとした約束とは、たとえば「●曜日までにメールします」や「■時に電話します」などといったものです。些細なことではありますが、遊びではなく仕事上のそうした約束が守れない相手は、信用できないか、仕事ができない可能性が高いのです。そうした営業マンを通して契約を結び、その後運用を続けても、あまりいいことはないかもしれません。
×レスポンスが遅い
メールの返事や、頼んでいたことに対する対応が遅い場合も、信用できないor仕事ができない可能性が高いこともあります。あるいは抱える案件数が多すぎて、手が回っていないのかもしれません。いずれにせよ、不動産投資という大きな投資を任せる相手として、ふさわしくはないでしょう。
トラブルがないか、検索しておいて損はない
さて、信用に値する相手かどうか見分ける方法は、もう1つあります。それは、会社そのものをチェックすることです。会社のチェックはその会社のウェブサイトが基本になりますが、他にも営業マンに直接質問したり、会社資料を取り寄せたりするなどの方法があります。以下、会社のどこを見ればいいかを紹介します。
▼管理戸数が多いか
不動産投資事業を行う会社において、その事業規模は信用性や安定性の目安となります。特に一括借上式のワンルームマンション投資の場合、事業規模が大きいほど、家賃保証も安定したものになりやすいといえます。
事業規模をつかむうえで一つの指標となるのが、管理戸数です。目安として管理戸数が5千戸規模から1万戸規模の会社であれば、信用性に欠ける可能性は低いでしょう。
▼宅建業免許番号
不動産事業を始めて何年経っているのかも、一つの目安となります。もちろん短い業者が全て信用できないわけではありませんが、事業年数が10年、20年と長いほど、まっとうな営業を続けている可能性が高いと考えられます。
事業年数は会社の設立年を見てもいいのですが、「宅建業免許番号」を見ることが手っ取り早いでしょう。会社の設立年だと、不動産以外の事業でスタートして途中で不動産事業を始めた場合に正確性を欠きますが、宅建業免許番号であれば不動産事業を始めてからのおおよその年数を確認できます。宅建業免許は6年ごとに更新するので、末尾が1なら免許を取って6年以内、2なら7~12年以内、3なら13~18年以内であることがわかります。
▼訴訟などが起こっていないか
会社が過去にトラブルを起こしていないか調べるのも一手です。それには不動産オーナーの口コミが参考になりますが、会社が運営するサイトの口コミより、中立的なサイトの口コミが断然参考になります。一度「●●●(会社名) 訴訟 オーナー」「●●●(会社名) 評判」「●●●(会社名) 口コミ」などで検索してみましょう。
▼業界団体に入っているか
不動産事業関連の業界団体に入るには審査が必要なので、そこに加入している時点で、ある程度の信用担保にはなるでしょう。何かトラブルが起きた際にも、団体に相談することができます。
▼「おとり広告」を使っていないか
不動産業界には、架空の物件や売るつもりのない物件を集客用にサイトへ掲載する「おとり広告」という手法があります。おとり広告は宅地建物取引業法や公正競争規約に違反するため、おとり広告をしている時点でその会社は「アウト」と考えていいでしょう。
消費者がおとり広告を正確に見極めるのは困難ですが、「明らかに条件がいいのに相場より安い物件」を掲載していたり、物件を問い合わせてみたら「少し前に売れてしまったけど、他にもいい物件がありますよ」などと言われたりした場合は、おとり広告の可能性を疑ってもいいでしょう。
以上、今回は信用できない不動産営業マンを見分ける方法を紹介しました。不動産投資という大きな買い物で間違いが起きないよう、ざっと頭に入れておきましょう。