目的によって使い分ける!ワンルーム投資の運用方法まとめ

ひとくちにワンルームマンション投資といっても、実は運用の手法やオプションがいくつかあります。状況によってベストな選択肢が変わるので、ざっと頭に入れておきたいところです。以下、5つの方法を紹介します。

1.長期運用

ワンルームマンション投資の最もオーソドックスなビジネスモデルと言えるのが、長期運用です。ローンを完済して以降は、家賃がそのまま収入となり続けるため、「賃貸経営を続ければ続けるほど、総収入が高まる」という考え方です。

たとえば2000万円の物件を35年のフルローンで購入し、毎月の手出し金額(※)が1万円程度になるとします。この場合、完済する35年後までにトータル420万円を支払うことになり、さらに毎年の固定資産税や修繕積立金の値上がりなども考慮して、35年間で計700万円を手出しさせるとしましょう。そして、もしローンを完済した段階で物件を売却する場合、約1000万円で売れるとします。

(※)支出(ローン返済額と管理費・修繕積立金)から収入(家賃収入)を引いた額

この場合、トータルの運用益は1000万円-700万円で、300万円となります。ところが、売却せずにそのまま運用を続けたらどうなるでしょうか。

もし毎月6万円の家賃収入を得られるとすると、1年間で72万円となり、10年間で720万円、20年間で1440万円と、運用益はどんどん積み重なっていきます。もちろん経年による家賃額の低下はある程度考慮する必要がありますが、資産価値の下がりにくいエリアであれば、それも小さく抑えられるでしょう。

加えてローン返済期間中は、団体信用生命保険の機能により、生命保険効果や医療保険効果も得られます。また将来的には、お子さんや家族にワンルームマンションを資産として残す選択肢も生まれます。

*ワンルームマンション投資の保険効果について

以上をふまえながら、長期運用のメリットを挙げれば

  • フルローンを利用することで、毎月の負担を小さく抑えながらマンション経営を行える。
  • ローン返済期間中は保険効果も得られる。
  • 一括借上げ式を選べば、賃貸経営の手間もほぼゼロに抑えられる。
  • それでいて最終的には投資用ワンルームマンションというまとまった資産を構築できる。

となります。

反対にデメリットには、家賃収入という“収穫”を得る段階に至るまでに時間がかかることが挙げられます。

2.途中売却

その名の通り、物件を途中で売却することです。前述のように長期運用で大きな旨味が発生するワンルームマンション投資ではありますが、オーナーの目的や状況によっては、途中売却が有効な選択肢になることもあります。

たとえば運用し始めて最初の何年かは節税効果を享受し、しばらく後に売るケースです。特にお子さんが数人いて、所得が高い方の場合は、マンション経営による赤字を課税所得からマイナスすることで、児童手当を受け取れる所得帯となる場合があります。

ワンルームマンション投資では、大きな赤字を計上できるのは始めの数年であることが普通ですが、それでも節税による還付金を得られるうえに、普通にしていたら受け取れない児童手当も受け取れるようになるのですから、少なからぬメリットがあります。

またワンルームマンション投資を、生命保険効果や医療保険効果を手厚くする目的で始めたものの、10数年経って子供が成人したので保険は必要なくなり物件を売るという方もいらっしゃいます。

いずれにしても物件を売却する際には、損益分岐点を過ぎてからでないと、トータルの収支はプラスになりません。新築のワンルームマンション投資では、損益分岐点は10~20年後に迎えることが一般的なので、開始後数年で売却益を出すのは基本的にできないと考えておく必要があります。

3.繰り上げ返済

繰り上げ返済とは、ローン返済期間中のどこかで新たに自己資金を投じ、ローン返済に充てることです。それにより残債が減るうえに、元金が減って利息額も圧縮できます。したがって繰り上げ返済により、支払総額そのものを少なくできます。

繰り上げ返済の利用の仕方としては、たとえば2000万円のワンルームを35年ローンで購入した人が、途中で100万円を繰り上げ返済に充て、完済時期を3~4年前倒しにするといった形があります。

あるいは同じく100万円を繰り上げ返済に充てながらも返済期間は変えず、月々の返済額の方を軽くすることも可能です。仮に100万円を投じて毎月の支払いが1万円軽くなった場合、年間で12万円のキャッシュフローの改善となります。100万円を投じて12万円の改善なので、言うなれば年利12%です。銀行や投資信託に預けるよりも、はるかにお得ですよね。

つまりワンルームマンション投資をしていると、株式投資やFX、会社のボーナス、あるいは退職金などでまとまった余剰資金が発生した時に、銀行・国債・投資信託などに預けるよりはるかに利率の良い“運用先”(繰り上げ返済のことです)が生まれるのです。

4.ローンの借り換え

ローンの借り換えとは、ローン返済期間中に、別の金融機関に残債を肩代わりしてもらい、新たにその金融機関でローンを組むことです。したがって、実質的に「借り換える」ことになります。なぜそんなことをするかというと、金利を低くするためです。たとえば金利3%でローンを組んでいた人が、金利1.6%のローンに借り換える、などです。

したがってもし借り換えができるのであれば、基本的には、するのに越したことはありません。ただし新たにローンを組めるかどうかは申請者の社会的属性や信用情報にもかかわってくるので、当然ながら必ず借り換えができるわけではありません。

また気をつけたいのが、借り換えを行うには一般的に数十万円の手数料と、手続きの手間がかかります。したがって、借り換えによってどれほど金利が下がって総支払い額が少なくなるのかをきちんと把握し、借り換えによるコストと照らし合わせる必要があります。

またローンのコースによっては、借り換えによって金利が下がるうえに、保険効果を手厚くできる場合もあるので、その点もしっかり考慮に入れたいところです。

5.複数物件運用

その名の通り、複数のワンルーム物件を運用することです。たとえば物件を2件持った場合、当然ながら節税効果も保険効果も、そして完済後の“私的年金”効果も、2倍にふくらみます。また2件持っていれば、たとえば1件を損益分岐点が過ぎた後に売却し、その売却益をもう1件の繰り上げ返済に回して総支払額を減らす、というお得な運用法もできます。

売却をする際も、たとえばエリアが別々の2件を持っていれば、その時点でよりキャッシュが大きく発生する方を売るとか、反対にこの先価値が下がりそうな方を売るとかといった選択もできます。このように物件の件数が増えるほど、状況や目的に応じたフレキシブルな選択肢が採りやすくなるのです。当然、複数物件を所有するには、相応の与信枠が必要になります。裏を返せばそうした与信枠がある人は、複数物件運用でよりお得にワンルームマンション投資を行う“権利”を持っていることになります。

以上、今回は「ワンルーム投資の運用方法」を、大まかに5つ紹介しました。冒頭でも述べたとおり、投資の目的により最適な運用方法は変わるので、まずはワンルームマンション投資をする自身の目的を明確にしたうえで、運用法を検討するようにしましょう。

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