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サラリーマン不動産投資で「本当にあった」失敗事例集4選!

作成者: NAVIVA運営部|2020年1月30日

資産を手堅く構築するのに向いているワンルームマンション投資ですが、思わぬ“落とし穴”に陥ってしまうケースもまれにあります。そこで今回は、過去に本当にあったワンルームマンション投資での失敗事例をご紹介。これから始めようと思う方にも、既に始めている方にも、当記事を読むたった5分が、将来の落とし穴を回避する貴重な5分となるかもしれません。

デザイナーズマンションで、思わぬ大修理が

まずは、1990年代にワンルームマンションを投資用に買ったAさんの事例です。その物件はバブル時代に特有の派手なデザインを備えた、いわゆるデザイナーズマンションでした。

賃貸経営を順調に続けて20年ほど経った頃、風呂場の配管から水が漏れていることが発覚。といってもたかだか1か所の配管修理なので、修理代はかかっても10数万円程度で済むだろうとタカをくくっていました。ところがいざ業者に見てもらうと……。

配管が凝ったデザインの風呂桶の下を流れていて、その風呂桶が床や壁と一体化し取り外せないタイプだったんです。だから配管を直すには、なんと風呂場ごとほぼまるっと替えなくてはいけない。恐る恐る修理代を聞いてみると……ざっと130万円。あまりに高額のため、他にもいくつかの業者に見てもらったものの、金額に大きな違いはありませんでした。

物件を売ろうにも、水漏れしたままでは大幅な値下げが必要となり、それはそれで大きな痛手となる。しかたなくAさんは、泣く泣く百数十万円を投じて改修を行います。サラリーマン大家には痛すぎる出費でした。

デザイナーズマンションなどの特殊な仕様の物件では、こうしたイレギュラーな修理事案が起こりがちです。お風呂場以外でも、たとえば部屋の壁がおしゃれなレンガやタイル張りで、建ててから20〜30年経った頃にヒビが入って直す必要が出たとしましょう。

普通の壁であればクロスを張り替えるだけなので3〜4万円で済むところを、タイル張りだと一つひとつ付け替えるうえ、タイル自体が量産品でなく高額品だったりして、修繕代が40〜50万円にのぼることもあります。他にも特殊なフローリングであったり、エントランスの床や壁が変わったデザインの場合は、そうした高額修理が発生することがあります。

こうしたイレギュラーな修理は、建物の修理計画書にも書かれていないことが多く、買う前にはなかなか想定できません。だからこうした落とし穴を避けるには、「明らかに変わった仕様の物件」はやめておくのが吉といえます。

反社会的勢力が住んでいて、賃貸ニーズが低下

マンションの中には、賃貸の管理を管理会社に任せるのではなく自分で行うことができる「自主管理」の物件もあります。そんな自主管理スタイルのワンルームマンションを投資用に買ったのが、Bさんでした。

賃貸管理を自主で行う場合、入居者付けやクレーム対応などを自分で行わなければならないかわりに、管理会社に払う管理料が浮いたり、家賃を自分で設定できたりといったメリットを享受できます。Bさんもそんなメリットをあてこんでの購入でした。

ところが賃貸経営を始めて数年が経った頃、ちょっとした異変に気づきます。建物自体は繁華街の好立地エリアにあるのに、入居者がなかなか入らない。なぜだろうと思い調べてみると……全30室ほどある建物のうち3部屋ほどに、反社会的勢力の人が住んでいることがわかりました。そうした話が出回り、入居者の入りが鈍くなっていたのです。

結局Bさんは、このままでは賃貸経営がうまく回らないだろうと判断し、購入価格よりだいぶ安い価格で物件を手放すことにしました。

このように賃貸管理を自主で行う物件は、入居者の審査がいき届かず、どんな人が入居するかわからないというリスクがあります。たとえ自身はきちんと入居者チェックをしたとしても、全てのオーナーがそれをするとは限りません。

購入の際に、不動産会社にそうした住民がいないか確認することはできますが、不動産会社も完全に把握できているとは限りません。また、たとえ購入時には住んでいなくても、購入後に入居してくる可能性は充分にあります。

そうしたリスクを避けるには、自主管理物件ではなく、きちんと賃貸管理会社が管理する物件を選ぶべきでしょう。特に反社会的勢力が住みやすい繁華街の物件などは注意が必要です。Bさんはそのことを、安くない勉強料を払って身にたたき込んだのでした。

支払いが遅れ、“ローンを組めない人”に

不動産投資をする際は、毎月の物件ローンの支払いと家賃の受け取りを、同じ銀行口座で行うのがセオリーです。それを会社の給料の受け取りや他の諸々の支払いを行う口座で、全て一緒くたに行う人も少なくありません。ワンルームマンション投資を行うCさんも、まさにそんなスタイルでした。しかし、そこにはある落とし穴が待っていました。

Cさんが不動産投資で毎月手出しする額は、約1万円でした。内訳は、物件ローンの支払いが約10万円で、家賃収入の受け取りが約9万円。差し引き−1万円というわけです。実質の支払いが1万円なので、10万円ものローンを毎月払っているという意識は希薄でした。

それもあってある時、急な入り用が発生して口座のお金を使いすぎ、ローンの支払いが滞ってしまいます。これは給料や生活費を出し入れする口座で不動産投資を行う人にままあるケースで、一度くらい遅れてもすぐに支払えば大きな問題にはなりません。

ところが支払いがさらに遅れたり、何度も延滞を繰り返したりすると、場合によっては金融機関の信用情報に記録されてしまいます。Cさんがまさにそうでした。ある時、どうしても欲しい車があり、晴れてローンを組んで購入しようとしたところ、信用情報に傷が付いていてローンが組めなかったのです。この場合、車や自宅を買うローンはもちろん、10万円の携帯電話のローンすら組めなくなることもあります。

「たかだか月1万円」と軽く見ていた支払いが、まさかこんなペナルティを生むことになるとは……。買うことのできない車を横目に、Cさんは自分のずぼらさを深く恨んだのでした。

登記簿謄本に“傷”が付き、自宅が買えない

ちなみに支払いの延滞といえば、固定資産税などの税金を延滞してしまうケースも少なくありません。これもすぐ払えば大きな問題にはなりませんが、延滞すればするほど延滞金がふくらんでいきますし、あまりに支払いを行わないと果てには財産が差し押さえられます。

そうやってもし物件そのものが差し押さえ処分になった場合、処分が下ってもすぐに払うものを払えば物件を取り上げられることはまずありませんが、その時点でけっこう大変なことになります。実は、一度差し押さえの処分が下ると、登記簿謄本に差し押さえの履歴が残ってしまうんです。そしてこの差し押さえ履歴、当該物件を所有する限りは一生残ってしまいます。

だから、以降は自宅をローンで買おうにも、車をローンで買おうにも、まずローンを組むことはできないでしょう。実際、そんなふうにして所有物件の登記簿謄本に差し押さえ履歴が入ってしまっている人を、何人か見たことがあります。

こうした事態を防ぐには、まずは不動産投資専用の口座を開設し、支払い方法を自動引落しにすることが何よりです。少し気の利く不動産業者であれば、自動引き落としや専用口座の開設、税金など諸々の支払いの時期について、最初の1年間くらいはきちんと案内してくれるでしょう。

普通にワンルームマンション投資をしていればこうした“落とし穴”に陥ることはあまりないでしょうが、好事魔多しともいうだけに、こんな可能性もあることをぜひ頭に入れておきましょう。